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三郎丸のラム「ミズナラム クリスタル」|ずっと楽しみに待っていた一本

2026.11.05
三郎丸のラム「ミズナラム クリスタル」のボトル

この記事の要点

  • 三郎丸蒸留所(富山・砺波)から、ラム「ミズナラム クリスタル(MIZUNARUM CRYSTAL — FIRST SIGNAL 2026)」が2026年10月29日に発売。コンセプトは「妄想トロピカル」
  • 伊江島産の粗糖と国内製造の糖蜜を原料に、「ZEMON 2」で蒸留。バーボン樽で熟成させたあと、富山県産のミズナラ炭で濾過・脱色した透明なラム
  • 今年のはじめに蒸留所でラムを飲ませていただいた私が、製品の味わいと、ポップなボトルに感じた新しい方向性、三郎丸の「循環」について綴ります

大好きな三郎丸蒸留所から、ついにラムが発売されました!!!

三郎丸蒸留所の看板と建物の外観

実は今年のはじめ、三郎丸蒸留所を訪ねた際、ラムも造っていると伺い、飲ませていただいたことがありました。

そのとき、私が「充分美味しいです」とお伝えすると、

「まだ、もう少し!!」

と、稲垣貴彦社長。

ああ、まだまだ追求されるんだなぁ、と。

三郎丸のラムが、いつか製品になって届く日を、ずっと楽しみに待っていました。

日本各地で造られているラムについては、ジャパニーズラムの蒸留所ガイドにまとめています。

三郎丸のラム「ミズナラム クリスタル」とは

公式のテイスティングノートは「レモングラスや白桃を思わせる清涼感。ラムらしいコクのある甘みと、骨太なボディ。」です。ソーダやトニック、果実やハーブを合わせたカクテルにも向くと紹介されています。

飲んでみて

製品になったラムを飲んでみると、アルコールの角々しい感じがせず、とてもまろやか。

優しいコクがお口の中に広がります。でもしっかり骨格がある感じなので、割っても崩れません。

シンプルにソーダにレモンを絞るだけで、楽しめます!

あの日「もう少し」と言われていた三郎丸のラム(私には充分美味しかったけど)が、こうして一本のお酒として届いた。

ずっと楽しみにしていた私にとって、それだけでも嬉しい出来事です!!

熟成させてから、あえて透明にする

このラムは、バーボン樽で熟成させたあと、ミズナラ炭で濾過・脱色して透明に仕上げています。

ウイスキーやラムの世界では、樽熟成で生まれる色合いも、そのお酒が歩んできた時間を感じさせる魅力の一つです。その色を、あえて取り除く。

正直なところ、ホワイトの仕様でリリースされたと知ったとき、私ははじめびっくりしました。

でも、届いたボトルを見て、なるほどと思いました。

ポップなデザイン。これまでの三郎丸のイメージの中にはなかった方向性です。

三郎丸のラム「ミズナラム クリスタル」のボトル

ラベルには、富山ゆかりの新世代クリエイターが手がけた架空のステッカーが配置されているそうです。

そしてコンセプトは「妄想トロピカル」。公式サイトには「寒く、暗い日本海の冬を知る北陸だからこそ、南国への憧れは強くなる」とあります。

なんとも自由で、遊び心のある発想!

さらに、富山で結成されたヒップホップグループ「ザ・おめでたズ」とのタイアップ曲「サンセット・カクテル」まで生まれました。お酒から音楽が生まれ、映像になり、一つの世界観が広がっていく。

三郎丸といえば、力強くスモーキーなウイスキー。

それを愛する人たちとは別に、音楽やカクテルを楽しむ人たちにも、三郎丸のお酒を届けにいく。

このラムは、新しいお客様との出逢いを狙っているのだと私は感じました。

ZEMON 2で蒸留されたラム

もう一つ気になるのが「ZEMON 2」です。

以前訪問した際には、世界初の鋳造製ポットスチル「ZEMONの開発にまつわるお話」にも大変驚かされました。

以前の訪問時に撮影した、三郎丸蒸留所の鋳造製ポットスチル「ZEMON」

今度はラムを造るために、どんな工夫がされているのだろう。

ZEMON 2、見てみたい!!!

三郎丸で見た「美しい循環」が、このラムにも

以前、三郎丸蒸留所を訪ねたとき、私が特に心を動かされた場所の一つが、再生型樽工房「Re:COOPERAGE」でした。

三郎丸蒸留所の再生型樽工房「Re:COOPERAGE」の入口

使い終えた樽を修復し、再び熟成に使えるようにする。役目を終えて熟成に使えなくなった樽材は、併設されたレストラン「かまど炭三郎」で薪になり、かまど飯を炊くエネルギーになります。

Re:COOPERAGEのバレルロール2と稲垣社長

ウイスキーを長年育んだ木が、最後は人々の食事を温める。私はその話を聞いたとき、なんて美しい循環なのだろうと感動しました。

そして今回のラムにも、その循環がありました。

酒販店の商品紹介によると、ミズナラ樽を造るときに生まれる端材を炭にして濾過に使い、ラムの熟成を終えた樽はウイスキーの熟成へ繋いでいくのだそうです。

素材と樽の価値を、次のお酒へ繋ぐ。三郎丸で見たあの循環が、一本のラムの中にも組み込まれていたことが、私はとても嬉しかったです。

ガマを使った樽づくりなど、樽工房の取り組みは見学記③に詳しく書いています。

100年先の未来と、今のワクワク

以前の三郎丸蒸留所レポートでは、「100年先の未来」というテーマについて書きました。

三郎丸蒸留所の将来構想が描かれたボードの前で話す稲垣貴彦社長

稲垣社長は、事業のことはたくさん話してくださるけれど、ご自身のことは多くを語られません。

それでも、蒸留器の開発や樽工房の取り組み、そして今回の新しいラム。

その一つひとつが、稲垣社長の考えを表しているように、私には感じられます。

今ある技術や資源を大切にしながら、新しい価値と、新しいお客様へ繋げていく。

守りながら、次を生み出していく。その発想が、私はとても好きです。

100年先の未来を見据えながら、今をこんなにも面白くしてくれる。

また三郎丸蒸留所へ行きたいよ〜〜〜

三郎丸蒸留所の皆さま。いつも新しい世界を見せてくださって、本当にありがとうございます。

また伺える日を、楽しみにしています💛

出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。


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【この記事を書いた人】

谷本 美香(Mika Tanimoto)
株式会社Little.m 代表取締役/オーナーバーテンダー

広島・流川で2006年からウイスキーとラムの専門店「Bar Little Happiness」を営む。国内外の蒸溜所を訪ね、造り手の話をコラム「ウイスキーとラムの手帖」に綴っている。広島市優良技能者。

「ウイスキーもラムも、造り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」

【お店の情報】📍 Bar Little Happiness

広島市中区流川町5-14 Rolling流川 1F
月〜土 19:00〜24:30/日 19:00〜24:00(店主が蒸溜所へ旅に出る日はお休み)
ノーチャージ・予約不要

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