「棄てられた首(スワンネック)」
2026.1.06
本来、ウイスキーの蒸留機には白鳥の首のように優美な曲線を描く「スワンネック」が存在します。それは雑味を削ぎ落とし、蒸留所のプライドとも言える場所。
しかし、オールド・プルトニーの蒸留機は、そのプライドを無惨に切り落とされています。
新しいポットスチルを注文して蒸留所に運び込んだところ、スチルの背が高すぎて、蒸留所の屋根にぶつかって入らなかったのです。
そこで当時のマネージャーは、あろうことか「じゃあ、上の長い部分を切り落としてしまえ!」と、スワンネックをチョン切ってしまったと言われています。

(公式HPから↑)
数年前、私はその「首なしの主(ぬし)」を一目見ようと、スコットランド本土の最果て、ウィックの街を訪れました。
インバネスから数時間、辿り着いたその場所で私を待っていたのは、無情にも閉ざされた蒸留所の扉。

あいにくの休館日。
「陸の孤島」まで足を運んでおきながら、この独特のポットスチルを見ることができなかったのは、今思い出しても本当に残念でなりません。
せめてもの想いで、誰もいないドアの前で記念撮影だけをしてその場を去りました。

(あの日、悔しさを噛み締めながら撮った一枚です。)
街並みが素敵だったので、写真をシェアします。


【OMC】オールド・プルトニー 18年 (2002-2021) バーボンバレル
■公式テイスティングノート: アップル、グレープフルーツ、スポンジケーキ。 ソルティーでリコリスやハーブ。 長い余韻で微かなスモーク、胡椒のヒント。

出逢いは必然。Rum & Whiskyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香
【この記事を書いた人】
谷本 美香(Mika Tanimoto)
株式会社Little.m 代表取締役/オーナーバーテンダー
広島・流川で2006年からウイスキーとラムの専門店「Bar Little Happiness」を営む。国内外の蒸溜所を訪ね、造り手の話をコラム「ウイスキーとラムの手帖」に綴っている。広島市優良技能者。
「ウイスキーもラムも、造り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」
【お店の情報】📍 Bar Little Happiness
広島市中区流川町5-14 Rolling流川 1F
月〜土 19:00〜24:30/日 19:00〜24:00(店主が蒸溜所へ旅に出る日はお休み)
ノーチャージ・予約不要
🛒 遠方の方はオンラインショップからもお求めいただけます。