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オクトモア17シリーズは何が変わった?|17.1・17.2・17.3は物足りない?

2026.9.17
オクトモア17シリーズ・バーりとるはぴねすのカウンターにて


今年もこの季節がやってきた!

毎年楽しみにしている、ブルックラディの「オクトモア」。

今年は17シリーズ。

まずは、17.1、17.2、17.3の違いを見てみましょう。

17.117.217.3
熟成年数5年5年5年
PPM(フェノール値)81.0ppm81.0ppm132.1ppm
アルコール度数59.7%59.5%60.9%
大麦スコットランド本土産コンチェルト種スコットランド本土産コンチェルト種アイラ島産コンチェルト種
大麦の産地スコットランド本土スコットランド本土オクトモア・ファーム、アイリーンズ・フィールド
熟成ファーストフィル・バーボン樽で全期間熟成セカンドフィル・フレンチオーク → ファーストフィル・ポートバリックファーストフィル・バーボン樽+複数のセカンドフィル・ヨーロピアンオーク
樽の詳細バーボン樽のみカリフォルニア産赤ワイン→バーボン→オクトモアを熟成したフレンチオークで4年間。その後ポート樽でフィニッシュリベラ・デル・ドゥエロ、ソーテルヌ、アイスワイン、シラーなどに使われた樽を含む
位置づけオクトモアの基準となる一本同じ原酒を樽で変化させるSingle Farm(単一農場)・Single Field(単一畑)・Single Vintage(単一ヴィンテージ)

17.1は、シンプルにバーボン樽。

17.2は、同じ大麦・同じPPMの原酒を、かなり複雑な樽使いで仕上げています。

そして17.3は、そもそも大麦が違う。

アイラ島のオクトモア・ファーム、その中でもアイリーンズ・フィールドで収穫された大麦を使っています。

そして、もう一つ気になるのがPPMです。

17.1と17.2は81.0ppm。

17.3でも132.1ppm。

以前のオクトモアと比べると、かなり低い。

ここから、

「今年のオクトモア、何が変わったんだろう?」

という話です。

そもそも、オクトモアって何?

オクトモアは、スコットランド・アイラ島にあるブルックラディ蒸留所が造る、超ヘビリーピーテッド・シングルモルト。

ブルックラディの中でも、特に強くピートを焚き込んだシリーズです。

オクトモアといえば、やっぱり気になるのが「PPM(フェノール値)」。

数字が大きいほど、一般的には大麦に含まれるフェノール化合物の量が多く、強いピート香を持つ原酒になります。

オクトモアは、その数字を毎年大きく打ち出してきました。

100ppmを超えるのは当たり前。

200ppm、300ppmという数字まで登場する。

「世界で最もピーテッドなウイスキー」

そんなイメージを持っている人も多いと思います。

私も、オクトモアを見るとまずPPMを確認します。

何ppmなのか。

オクトモアのPPMは、本当に下がっている?

では、歴代の数字を並べてみます。

シリーズ.1.2.3
14128.9ppm128.9ppm214.2ppm
15108.2ppm108.2ppm307.2ppm
16101.4ppm101.4ppm189.5ppm
1781.0ppm81.0ppm132.1ppm

かなり分かりやすい。

14から17にかけて、.1と.2は

128.9 → 108.2 → 101.4 → 81.0ppm

と下がっています。

そして.3は、

214.2 → 307.2 → 189.5 → 132.1ppm。

15.3の307.2ppmという突出した数字はありますが、その後は下がり、17.3では132.1ppm。

少なくとも、ここ数年の数字だけを見ると、

「オクトモアのPPMは以前より低くなっている」

と言っていいと思います。

特に17シリーズは、.3ですら132.1ppm。

300ppm超えのオクトモアを知っている人からすると、

「え、132ppm?」

となる数字です(笑)。

でも、.3って「一番PPMが高いもの」だった?

ここが今回、改めて見ておきたいところ。

オクトモアの「.3」といえば、昔から特別な存在です。

ただし、

「.3=そのシリーズで一番PPMが高い」

という意味ではありません。

たとえば7シリーズでは、

7.1が208ppmなのに対して、7.3は169ppm。

12シリーズでも、

12.1が130.8ppm、

12.3が118.1ppm。

つまり、.3だから必ず最高PPMというわけではない。

では、.3は何が特別なのか。

それは、大麦がどこで育ったものなのかという話です。

オクトモア「.3」の意味

オクトモアの.3では、アイラ島産の大麦が重要な意味を持ってきました。

初期のシリーズから、アイラ島のオクトモア・ファームで育てられた大麦を使うという考え方があり、そこからさらに農場、畑、収穫年といった情報まで追っていく方向へ発展していきます。

つまり.3は、

「より強いピート」

だけを追いかけるシリーズではなくて

「どこの大麦なのか」

を見せるためのシリーズでもあります。

実際、これまでにも.3では特定の畑が取り上げられてきました。

9.3では「Irene’s Field(アイリーンズ・フィールド)」。

12.3では「Church Field(チャーチ・フィールド)」。

そして17.3では、再びIrene’s Field(アイリーンズ・フィールド)。

今回の17.3は、

Single Farm(単一農場)
Single Field(単一畑)
Single Vintage(単一ヴィンテージ)

というところまで絞り込まれています。

だから、17.3の132.1ppmを見て、

「.3なのにPPMが低い」

だけで判断すると、このボトルがやろうとしていることを少し見落としてしまいます。

17.1と17.2は、PPMも大麦も同じ

17.1と17.2はどちらも、

81.0ppm。

大麦も、スコットランド本土産のコンチェルト種。

つまり、基本となる原酒は同じです。

では何が違うのか。

オクトモア17.1のボトル(PPM81.0)|広島のBar Little Happiness / Octomore 17.1 bottle at Bar Little Happiness, Hiroshima

樽です。

17.1は、ファーストフィル・バーボン樽で5年間、全期間を熟成。

オクトモアの基準となる一本です。

公式テイスティングノート

スモーク香と焦げた香りに、バニラ・ミルクセーキやスコティッシュ・タブレット、温かいカスタードタルトの甘やかさが重なり、洋梨キャンディやモルトシロップのニュアンスへと広がる。

オクトモア17.2のボトル(PPM81.0)|広島のBar Little Happiness / Octomore 17.2 bottle at Bar Little Happiness, Hiroshima

一方の17.2は、かなり複雑。

まず、カリフォルニア産赤ワインを熟成したセカンドフィル・フレンチオーク。

その後バーボン。

さらにオクトモア。

そんな履歴を持つ樽で4年間熟成させ、最後にファーストフィル・ポートバリックでフィニッシュしています。

公式テイスティングノート

胡椒のようなスパイス感に、柑橘やベリーのニュアンスが重なる

17.1と17.2は、PPMを変えずに樽を変えることで、どこまで味わいが変わるのかを見るような比較

になっています。

これはオクトモアの面白いところ。

「81ppm」という数字だけ見れば同じ。

でも、樽が違えば当然、香りも味わいも変わってくる。

17.3は、そもそも大麦から違う

オクトモア17.3のボトル(PPM132.1)|広島のBar Little Happiness / Octomore 17.3 bottle at Bar Little Happiness, Hiroshima

そして17.3。

こちらは132.1ppm。

数字だけを見ると、17.1・17.2より高い。

でも、それ以上に大きな違いがあります。

使われているのが、

アイラ島産のコンチェルト種大麦。

オクトモア・ファームのIrene’s Field(アイリーンズ・フィールド)で育った大麦です。

2019年に収穫された大麦を使い、2020年に蒸留。

そして5年間の熟成。

さらに樽も一種類ではありません。

ファーストフィル・バーボン樽に加えて、リベラ・デル・ドゥエロ、ソーテルヌ、アイスワイン、シラーなどに使われたセカンドフィル・ヨーロピアンオークを組み合わせています。

つまり17.3は、

PPMだけを見るボトルではなく、畑から樽まで全部ひっくるめて見るボトル。

究極のトレーサビリティ!

公式テイスティングノート

力強いピート香とエレガンスが調和し、塩キャラメルやスモークしたリンゴ、トーストしたココナッツに、プラリネやバニラクリームの甘やかなニュアンスが重なる、奥行きのある味わい

オクトモア17は「弱くなった」のか?

では、結局どうなのか。

PPMだけで言えば、17シリーズは以前よりかなり穏やかになっています。

特に、

「オクトモアなら300ppm超え!」

という刺激を楽しみにしていた人にとっては、物足りなさを感じる可能性はあると思います。

私も300ppm超え、また飲みたいです(笑)。

でも、.3の歴史を振り返ると、

.3=最高PPM

ではありませんでした。

アイラ島の大麦、農場、畑、収穫年というところまで掘り下げてきたシリーズ。

ブルックラディでは、今こんな変化も

そして、オクトモアだけではなく、ブルックラディ全体を見ても、最近ちょっとした変化があります。

定番の「The Classic Laddie(ザ・クラシック・ラディ)」。

これまで年数表記のないNAS(ノン・エイジ)だったものが、

「The Classic Laddie 10 Aged Years(ザ・クラシック・ラディ 10年熟成)」

へ。

ブルックラディを追っている人なら、この変化にも気づいたはず。

オクトモア17のPPMの変化と合わせて見ると、

「ブルックラディ、ちょっと変わってきたな」

と感じる部分ではあります。

18年前のブルックラディの写真が出てきた

そういえば、写真を整理していたら、かなり昔のブルックラディの写真が出てきました。

もう18年くらい前。

入口にあったオブジェ。

そして、ハンドフィルのボトル。

1,000本のボトルが圧巻のバックバーと、オクトモア|広島のBar Little Happiness / 1,000 whisky bottles backbar with Octomore at Bar Little Happiness in Hiroshima, Japan
18年前、ブルックラディ蒸溜所でハンドフィルのボトルを手に取る谷本美香 / Mika Tanimoto with a hand-fill bottle at Bruichladdich Distillery, 18 years ago

でも、やっぱり高PPMのやりすぎオクトモアを期待しうちゃう笑。

来年も楽しみに待ちつつ、今年のオクトモア17シリーズお見逃しなく!!

オクトモア17シリーズ(17.1・17.2・17.3)をカウンターに並べて|広島のBar Little Happiness / Octomore 17 series (17.1, 17.2, 17.3) on the counter at Bar Little Happiness, Hiroshima

ウイスキーもラムも、造り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる。

出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。


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📍 Bar Little Happiness

広島市中区流川町5-14-1F

月〜土:19:00〜24:30 / 日:〜24:00

(最終入店・約1時間前)

定休日:ほぼ年中無休

ご予約・お問い合わせは、公式LINEから🥃

🔗 オンラインショップ:https://shop.little-happiness.jp/

この記事を書いた人

谷本 美香(Mika Tanimoto)

株式会社 Little.m 代表取締役 / オーナーバーテンダー

広島県広島市で20年続くRum&Whisky専門店「Bar Little Happiness(リトルハピネス)」店主。2006年の創業以来、ウイスキーとラムの感動を伝える専門家として活動しています。

世界中の蒸溜所を自ら訪問し、造り手と直接対話した一次情報を持つ、現場主義のバーテンダー。バックバーには1,000本を超える希少なレア銘柄から、地元広島の「桜尾」まで幅広く取り揃えています。