可愛い蒸溜所の正体は、堅実な「名脇役」
2026.2.23
スコットランドのピトロッホリーという街にあるブレアソール(Blair Athol)蒸留所を訪れた時のこと。
もう、とにかく外観が可愛くて!!
蔦(ツタ)に覆われた石造りの建物が、まるでおとぎ話の世界のように佇んでいます。

リトハピも、こんな外観にしたい!!
しかし、この愛らしい姿とは裏腹に、実はブレアソールのシングルモルトは、市場にほとんど出回りません。
生産されるウイスキーの多くが「ジョニーウォーカー」や「ベル(Bell’s)」といったブレンデッドウイスキーのキーモルト(メイン原酒)となり、オフィシャルボトルとしてリリースされるのは、ごく僅か。
ブレアソールは、多くのウイスキー愛好家や評論家から『ナッティでリッチ』と称えられるその酒質が高く評価されています。
あえて麦汁を濁らせた「クラウド・ウォーツ」の状態で、50時間以内という短い時間で発酵させることで、独特のナッティなベースが生まれるといわれています。
さらに、ずんぐりとした蒸留器で重みのあるスピリッツを取り出すことで、リッチな厚みが加わります。

ちなみに、ブレアソール蒸留所のビジターセンター内には、マッシュ・タン(糖化槽)をそのまま再利用して作られたバーがあります。
これが、また素敵なの!!
このバーは、単に「糖化槽をモチーフにしたデザイン」というだけでなく、本物の巨大な糖化槽をリメイクして作られた世界でも類を見ない場所です。
驚きの再利用:
実は、このバーに使われている巨大な銅製の蓋や鋳鉄の壁は、同じディアジオ社が所有するクライヌリッシュ(Clynelish)蒸留所でかつて使われていた本物の糖化槽です。
廃棄される寸前だったものを、エディンバラのデザイン事務所の提案により、体験型テイスティングバーとして蘇らせたそうです。



デザインのこだわり:
円形のカウンターは糖化槽の形そのもの。
バーの中にある棚や装飾も、麦芽をかき混ぜる「攪拌機(シャベルのような部品:ラウターアーム)」をイメージして設計されています。
床の一部には、実際に糖化の際に使われる「濾過プレート(ウェッジワイヤー・フィルタープレート)」が敷かれているという徹底ぶりです。

ブレアソール [2009-2021] 11年 リフィルシェリーホグスヘッド 【DRAMLAD】
【公式テイスティングノート】
香り:
端正でフルーティーな香り。マンダリンオレンジ、淡いレーズンと過熟のアメリカンチェリー。微かにナッツとバター感も。
味わい:
繊細で滑らかな甘い口当たり。ジンジャーブレッドとドライフィグ、遅れてシナモンクッキーのようなスパイスと麦感。
フィニッシュ:
渋めの紅茶とシナモン、煮詰めたオレンジや完熟スモモ。程よく繊細ながらもしっかりと伸びていくフィニッシュ。
出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
【この記事を書いた人】
谷本 美香(Mika Tanimoto) 株式会社 Little.m 代表取締役 / オーナーバーテンダー
広島県広島市で20年続くRum&Whisky専門店「Bar Little Happiness(リトルハピネス)」店主。
2006年の創業以来、ウイスキーとラムの感動を伝える専門家として活動しています。
バックバーには1,000本を超える希少なレア銘柄から、地元広島の「桜尾」まで幅広く取り揃えています。
• 多店舗経営: 本店に加え、カジュアルに愉しめる姉妹店「Rum&WhiskyハイボールBar」を直営。
• オンライン事業: 全国へ厳選ボトルを小瓶で届けるオンラインショップ運営。
• 執筆・情報発信: 専門コラム【ウイスキーとラムの手帖】を執筆。
・創業ストーリー:22歳、ワーキングプアだった私が見つけた光。
「ウイスキーもラムも、作り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」
Definitely very recommended, I hope to be able to come back here in a future Japan trip! Thank you so much, cheers from Italy!