三郎丸最新作・Ⅷ STRENGTH 入荷──タロットの「力」、ピートの新しい顔
2026.5.21
三郎丸最新作!シングルモルト三郎丸Ⅷ STRENGTHが入荷しました🥃
激推し活している、富山県・三郎丸蒸留所の最新作。
2026年1月に蒸溜所を訪れて、稲垣貴彦社長の哲学と、ZEMON、バレルロール2、未来への投資。

![自動樽削り機「バレルロール2]](https://little-happiness.jp/wp-content/uploads/2026/01/S__55336966_0-768x1024.jpg)
チーフブレンダーのセミナーのためだけに山梨に行ってしまうほど、
私の三郎丸への激推し度は、さらに加速しています!
タロットの「力」──内なる強さの象徴

三郎丸Ⅷ STRENGTH のラベルは、タロットカードがモチーフになっています。
タロットカードは、大アルカナ22枚と小アルカナ56枚で構成されており、Ⅷ STRENGTH に採用されているのは、大アルカナ22枚の9番「力(STRENGTH)」── シリーズ第9弾にあたります。
富山県出身の作家さんが、シリーズを通じて手がけている美しいラベルデザイン。
そして、三郎丸が公式に掲げる、このカードのキーワードは──
・ 包容 ・ 誠実 ・ 制御 ・ 粘り強さ
「力」のカードに描かれているのは、白い衣をまとった女性が、獰猛なライオンを、力ずくではなく優しく手なずけている構図。
力で押さえつけるのではなく、包み込み、誠実に向き合い、内側で制御し、粘り強く向き合う──。
そんなメッセージが、Ⅷ STRENGTH のボトルには込められているのかもしれません。
シリーズの始まりは、2020年発売の「三郎丸0 THE FOOL(愚者)」。
タロットカードの大アルカナは、「0番=愚者」から始まる体系。
三郎丸蒸留所は、改修後の最初の一本を、「ゼロからの再出発」を象徴する「THE FOOL」から始めました。
0:THE FOOL(愚者)
Ⅰ:THE MAGICIAN(魔術師)
Ⅱ:THE HIGH PRIESTESS(女教皇)
Ⅲ:THE EMPRESS(女帝)
Ⅳ:THE EMPEROR(皇帝)
Ⅴ:THE HIEROPHANT(教皇)
Ⅵ:THE LOVERS(恋人)
Ⅶ:THE CHARIOT(戦車)
Ⅷ:STRENGTH(力)← イマココ
タロットの大アルカナを、ボトルに込めて、ひとつずつ世に出していく──。
これだけで、シリーズの世界観の深さが伝わってきます。
(ちなみに最後までもうラベルは出来ていて、蒸溜所にいけばその秘密を共有できますよ❣️)
「力」と「アイラピート」が出逢う一本

三郎丸Ⅷ STRENGTH の最大の特徴は──
🥃 スーパーヘビリーアイラピーテッド麦芽 80PPM
このフェノール値80PPMという数字、ウイスキーをよく飲まれる方は、ピンとくると思います。
スモーキーなウイスキーの代名詞「アードベッグ」のフェノール値が、約55PPM。
つまり三郎丸Ⅷ STRENGTH は──
🥃 アードベッグの、約1.5倍のピート濃度
極めて強烈な数値です。
そして、ここで、改めてお伝えしたい事実があります。
三郎丸蒸留所は──
日本で唯一、ピート麦芽だけでウイスキーを仕込む蒸溜所
なのです。
国内のクラフトウイスキー蒸溜所は、年々増え続けています。
その多くは、ノンピートやライトピートを中心に、季節やシリーズによってピーテッドも仕込む、という形が一般的です。
しかし、三郎丸蒸留所は違います。
1952年の製造開始以来、一貫して、ピート麦芽だけで仕込み続けてきた。
掲げているテーマは──
The Ultimate Peat(ピートを極める)
日本で唯一、この道だけを歩み続けている蒸溜所。
そんな蒸溜所が、80PPMという、アードベッグの1.5倍のピート濃度を、最新作に込めてきた。
これがどれほど特別なことか、少しだけ、想像していただけるかもしれません。
「戦車」と「力」──三郎丸が描く、ピートの多面性

ここで、ウイスキーファンの方なら気づかれるかもしれません。
前作「Ⅶ THE CHARIOT(戦車)」のフェノール値も、実は80PPMでした。
つまり、Ⅷ STRENGTH もⅦ CHARIOT も、
同じ「フェノール値80PPM」のスーパーヘビリーピーテッド
しかし──
・ Ⅶ CHARIOT は、ハイランド産のピート麦芽
・Ⅷ STRENGTH は、アイラ産のピート麦芽
産地が違うのです。
そして、これは単なる「産地違い」の話ではありません。
ボトルラベルに込められたメッセージを並べてみると、三郎丸が、同じ80PPMという強烈な強度の中で、まったく対照的な世界観を描き分けていることが見えてきます。
Ⅶ CHARIOT(戦車)── ハイランドピート 80PPM
「荒野を突き進む孤高の魂。大気を焦がす車輪の地響き。」
「乾いた大地を思わせる烈しい煙」
タロットカード大アルカナの8番「戦車(THE CHARIOT)」。
三郎丸が公式に掲げるキーワードは──
・意志
・突進
・独立
・挑戦
Ⅷ STRENGTH(力)── アイラピート80PPM
「母なる海にいだかれて、私たちの魂は波間にたゆとう。」
「力強いスモーキーを包み込む柔らかな味わい」
タロットカード大アルカナの9番「力(STRENGTH)」。
三郎丸が公式に掲げるキーワードは
・包容 ・ 誠実 ・ 制御 ・ 粘り強さ
「力」には、いくつもの顔がある
「意志、突進、独立、挑戦」と、「包容、誠実、制御、粘り強さ」。
「荒野」と「母なる海」。
「車輪の地響き」と、「波間の魂」。
これほど対照的な世界観を、同じ80PPMという強烈な強度の中で描き分ける。
公式キーワードを並べて、私には、こう感じられます──
・Ⅶ では、動きの先にある力。
・ Ⅷ では、内側で熟成する力。
これは、あくまで私個人の解釈ですが──。
ここに、三郎丸の「The Ultimate Peat(ピートを極める)」という哲学の、深い意味があるのだと思います🥃
ピートを極めるとは、ただ強烈なスモーキーさを追求することではない。
ピートの地理的・文化的な個性を、ウイスキーの中に描き出す。
同じ80PPMでも、ハイランドとアイラで、まったく違う風景を見せる。
「力」には、いくつもの顔があることを、ボトルの中で証明していく──。
三郎丸は、Ⅶ で「戦車」の力を描き、
Ⅷ で「力」の世界を描いた🥃
そして、三郎丸の挑戦は、これからも止まりません。
2016年からの大改修を経て、蒸溜所として再び動き出してから10年。
革新を続ける三郎丸は、これからも、ピートの新しい表現を、私たちに見せてくれるはずです。
次のシリーズ作品で、どんな「ピートの顔」を見せてくれるのか──。
私は、心からの期待を込めて、追いかけ続けたいと思っています🥃
アイラ島のピートが、富山に届くまで
Ⅷ STRENGTH のラベルには、ひとつ、心に残るメッセージが添えられています。
「アイラ島のピートは年々、入手が困難になっており、粘り強い交渉と誠実さに基づく信頼関係が結実しました」
これは、三郎丸が、Ⅷ STRENGTH のリリースに添えた言葉です。
アイラ島のピートは、世界中のウイスキー愛好家から愛される、ピートの聖地。
しかし、その採掘には厳しい環境規制があり、世界中の蒸溜所が確保に苦労しています。
そんな中で、富山の三郎丸蒸留所が、アイラ麦芽を確保した──。
それを支えたのが、「粘り強い交渉」と「誠実さに基づく信頼関係」。
ここで、もう一度、タロット「力」のキーワードを思い出してみてください。
・包容 ・ 誠実 ・ 制御 ・ 粘り強さ
公式キーワードの「誠実」と「粘り強さ」が、ボトルの背景にある実話と、見事に重なっている──。
タロットの世界観と、ウイスキー造りの現場の物語が、こんなにも美しく繋がっている。
三郎丸シリーズの深さを、改めて感じる瞬間です。
2026年1月、私が三郎丸蒸留所を訪れた日

2026年1月、富山県砺波市の三郎丸蒸留所を訪れました。
それまで、三郎丸シリーズを取り扱いしながらも、蒸溜所そのものを訪れたことがありませんでした。
訪問してみて──
大ファンになってしまい、私の激推し度蒸溜所になりました!
・ 稲垣社長の行動力とウイスキー愛
・ ZEMONの開発ストーリー
・ブレンダールームでの「琥珀のパズル」
・富山の伝統工芸・組子細工と重なる、ウイスキーの組み立て
・100年先を見据えた姿勢
詳しい訪問記は、過去のコラム5本に綴っていますので、ぜひそちらを🥃
そして、過去の私が、まだ蒸溜所を訪れる前に書いた、前作の記事もあります。
▶︎ 三郎丸 CHARIOT(チャリオット)─ 廃炉寸前からの復活
▶︎二種のピートが出会った恋人たち ― 三郎丸Ⅵ THE LOVERS
三郎丸Ⅷ STRENGTH、スペック

製品名:シングルモルト三郎丸Ⅷ STRENGTH 通常版
蒸留:2022年
瓶詰:2026年
熟成:4年
麦芽:スーパーヘビリーアイラピーテッド 80PPM
公式テイスティングノート
香り:木の燃えさしを思わせるスモーク、マカデミアナッツ、ワックス、少しのグレープフルーツの綿、豊かなバニラ、べっ甲飴、素直な麦芽香。
味:滑らかで瑞々しい口当たり。バニラやべっ甲飴のような甘さに、存在感がありながらも柔らかさを備えたスモーク、そして少しのグレープフルーツの綿のようなほろ苦さが重なる。
総評:滑らかな飲み口の中に、穏やかなスモーキーさと、少しのグレープフルーツを思わせる個性が光る一本。
リトハピで、お試しいただけます🥃
エピローグ|100年のバトン
三郎丸蒸留所が掲げているもうひとつの言葉に、「地域に拠って、世界に立つ」という一文があります。
富山という土地に根ざしながら、世界に通用するウイスキーを造り続ける──。
2016年から続いてきた、三郎丸蒸留所の再生の歩み。
そして、2025年8月、三郎丸蒸留所は、国の登録有形文化財に登録されました。

それでも、三郎丸は、止まりません。
「ピートを極める」という哲学のもと、これからも、新しい表現を世に出し続けるはずです。
そんな蒸溜所の最新作・Ⅷ STRENGTH は、ぜひ、広島・流川のBar Little Happinessで💛
「ウイスキーもラムも、造り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」
出逢いは必然。
Rum&Whiskyの世界へようこそ🥃
🔗 関連コラム
【三郎丸蒸留所 見学体験記】
私が2026年1月に訪れた、三郎丸蒸留所のレポート5本です。
【前作・Ⅶ THE CHARIOT の物語】
ハイランドピート80PPMが描いた、「突進する戦車」の物語。
▶︎ 三郎丸 CHARIOT(チャリオット)─ 廃炉寸前からの復活
📍 Bar Little Happiness
広島市中区流川町5-14-1F
月〜土:19:00〜24:30 / 日:〜24:00
(最終入店・約1時間前)
定休日:ほぼ年中無休
三郎丸Ⅷ STRENGTH、リトハピで体験いただけます。
ご予約・お問い合わせは、公式LINEから🥃
🔗 オンラインショップ:https://shop.little-happiness.jp/
この記事を書いた人
谷本 美香(Mika Tanimoto)
株式会社 Little.m 代表取締役 / オーナーバーテンダー
広島県広島市で20年続くRum&Whisky専門店「Bar Little Happiness(リトルハピネス)」店主。2006年の創業以来、ウイスキーとラムの感動を伝える専門家として活動しています。
世界中の蒸溜所を自ら訪問し、造り手と直接対話した一次情報を持つ、現場主義のバーテンダー。バックバーには1,000本を超える希少なレア銘柄から、地元広島の「桜尾」まで幅広く取り揃えています。
Definitely very recommended, I hope to be able to come back here in a future Japan trip! Thank you so much, cheers from Italy!