小諸蒸留所フェス2026――ウイスキーが結ぶ「ご縁」の物語
2026.3.23
小諸蒸留所フェス2026に行ってきました!
今回のフェスへの参加を決めた一番の目的は、安積蒸溜所、嘉之助蒸溜所、そして小諸蒸溜所という、注目を集める3つの蒸溜所によるスペシャルセッションを聴くことでした。


ステージを拝聴し、フェスの温かな空気感に触れて、心に深く残った言葉はただ一つ。
それは「ご縁」です。
ウイスキーがつなぐ、13年越しの「ご縁」
このセッションを語る上で欠かせないのが、嘉之助蒸溜所の石原さんと、小諸蒸溜所のマスターブレンダー、イアン・チャン氏の不思議な縁です。
(**イアン・チャン氏とは、世界的なブレンダーで、超有名人です**)
物語は2013年の東京フェスまで遡ります。
当時カバラン蒸留所にいたイアン氏のセミナーに、石原さんは奥様と最前列で参加されていました。
通訳を介したセミナーで、イアン氏のジョークに会場が静まり返る中、石原さん夫妻だけは好奇心全開で反応していたそうです。
その時、イアン氏と何度も目が合ったことがきっかけで交流が始まったそうです。
それから年月が経ち、石原さんも全くのウイスキーとは関係のない仕事から、嘉之助に転職。(ここのエピソードがとても面白いのでまた後日書きます)
2024年の世界的なフォーラムでの再会を経て、今回のフェスでは、イアン氏自身が「嘉之助の石原さんを」と登壇者に指名したことで、この豪華なセッションが実現したとのことです。
また、司会を務めた小諸蒸溜所の藤原さんと、安積蒸溜所の黒岡さんが、かつて仙台で切磋琢磨したバーテンダー仲間だったというエピソードも披露されました。
違う立ち位置で再び同じステージに立つお二人の姿には、不思議な引力を感じました。
私自身も、以前広島で嘉之助・石原さんのセミナーを聴く機会があり、その楽しさが忘れられず「またお話を聴きたい!」と願っていました。
3月21・22日といえば月一番の繁忙日。
それでも、「今、小諸に行かなければならない」という強い引力に逆らえなかったのは、私もまた、この大きな縁の渦に巻き込まれていたからかもしれません。
リスペクトが交差するテイスティング
セッションでは、各蒸溜所の「バックボーン」が色濃く反映されたウイスキーが披露されました。
お互いの個性を称え合う空気感は、見ていて本当に清々しいものでした。
安積蒸溜所(福島):

日本酒造り260年の歴史を持つ笹の川酒造が母体。
黒岡氏は、日本酒特有の「吟醸香」のような繊細な要素をウイスキーに活かす試みを語り、樹齢100年以上のオーク樽を使った複雑なレイヤーを持つ限定ボトルを紹介してくれました。
嘉之助蒸溜所(鹿児島):

小正醸造の焼酎造りのノウハウを継承。「メローコヅル」で使用した樽や、伝統的な冷却装置「ワームタブ」を用いること、麹の存在。
スパイシーで筋肉質な厚みのある味わいを生み出しています。
小諸蒸溜所(長野):

イアン氏が掲げるのは「原酒スペクトラム」と「バランス」。
標高910メートルの厳しい自然環境を味方に付け、わずか2年強の熟成とは思えないほど、森に囲まれているような清涼感のあるウイスキーを提示しました。
未来へのコラボレーション
最後に強く印象に残ったのは、蒸溜所同士のオープンな連帯感です。
セッションの終盤、嘉之助の石原さんが「いつか小諸蒸溜所とも一緒に何かを作りたい」と夢を語ると、イアン氏も「非常にオープンな姿勢でいる」と応えていました。
「自分たちだけでなく、業界全体でジャパニーズウイスキーを盛り上げたい」という姿勢。
その中心にあるのは、やはり人と人との温かな「ご縁」。
そのご縁の引力が大きな力になっていくのだと感じました。
イアン氏の言葉に、「造り手を知る最良の方法は、その蒸溜所へ行くことだ」というものがありました。
私自身、国内外の多くの蒸溜所に訪問してきました。
agreeです!!!!
そこに関わるひとたちの想いや志、それはそれぞれ違うものだけど、ウイスキーを愛する気持ちが大きい蒸溜所での時間は、特別な気持ちをもらえます。
今回のフェスを通じて小諸の地で生まれた新しい縁が、5年後、10年後どんな味に化けるのか、今から楽しみでなりません。
ウイスキーを愛する者同士が、気づいたら繋がっている。
そんな不思議で温かな魔法にかけられた、最高のフェスティバルでした。



明日は、このご縁が育む「クラフトの役割」と、各蒸溜所を、さらに深掘りしていきたいと思います。
出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
「ウイスキーもラムも、作り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」
【この記事を書いた人】
谷本 美香(Mika Tanimoto) 株式会社 Little.m 代表取締役 / オーナーバーテンダー
広島県広島市で20年続くRum&Whisky専門店「Bar Little Happiness(リトルハピネス)」店主。
2006年の創業以来、ウイスキーとラムの感動を伝える専門家として活動しています。
バックバーには1,000本を超える希少なレア銘柄から、地元広島の「桜尾」まで幅広く取り揃えています。
• 多店舗経営: 本店に加え、カジュアルに愉しめる姉妹店「Rum&WhiskyハイボールBar」を直営。
• オンライン事業: 全国へ厳選ボトルを小瓶で届けるオンラインショップ運営。
• 執筆・情報発信: 専門コラム【ウイスキーとラムの手帖】を執筆。
・創業ストーリー:22歳、ワーキングプアだった私が見つけた光
Definitely very recommended, I hope to be able to come back here in a future Japan trip! Thank you so much, cheers from Italy!