処刑場跡地のウイスキー?グレンマレイの不気味な歴史と優しい味わい
2026.2.18
スペイサイドの美しい街、エルギン。
その郊外に、とても不思議なギャップを持つ蒸留所があります。
その名はグレンマレイ(Glen Moray)。
「コスパが高く、クリーミーで華やかなフルーティーさ」と評されるこのモルトの裏には、恐ろしい「死と呪いの歴史」が隠されていることをご存知でしょうか。
今日は、実際に現地を訪れた体験談を交えながら、グレンマレイの「闇と光」の歴史をご紹介します。

「絞首台の丘」に建つ蒸留所
グレンマレイ蒸留所が建っている場所は、かつて「ガロウ・ヒル(Gallows Hill:絞首台の丘)」と呼ばれていました。
その名の通り、16世紀から17世紀にかけて、この場所は街の処刑場でした。
特に、エルギンは魔女裁判が非常に活発に行われた場所でもあり、罪をかぶせられた女性たちが恐ろしい裁判の末、ここで処刑されたという悲しい記録が残っています。
今でこそ周辺はのどかな住宅街となっていますが、かつての死刑場。


建設現場から見つかった「7つの頭蓋骨」
この逸話がただの伝承ではないことを決定づけた事件があります。
1962年、蒸留所の第1貯蔵庫(Warehouse No. 1)を建設するために地盤を発掘していた時のことです。作業員たちが掘り起こしたのは、人間の頭蓋骨でした。その数はなんと7つ。
当時、遺骨は再埋葬される前、しばらくの間、敷地内に保管されていたそうです。
当時のエンジニアが、発見された頭蓋骨を不憫に思い、「今のエルギンの街を見せてあげよう」と、自分の車のダッシュボードに乗せて街を一周ドライブしたというエピソードは、現地の関係者の間で今も語り継がれています。
ホラーのようでありながら、どこか人間味のある、この地ならではの逸話です。




歴史の闇と、優しい味わいのギャップ
そんな場所で造られるウイスキーが、もし「重く、ドロドロとした味」だったら、それはそれで納得かもしれません。
しかし、現実は全く逆でした。
グレンマレイの味わいは、驚くほどフルーティーで、軽やか、そして優しい。


(グレンマレイ蒸溜所でハンドフィル!)
歴史に思いを馳せながら、一杯
エルギンの住宅街に静かに佇むグレンマレイ。
かつてこの地にあった重い歴史と、それを乗り越えて生まれた優しい味わいのギャップを、ぜひ感じてみてください。

📍Glen Moray Distillery, Elgin
出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
【この記事を書いた人】
谷本 美香(Mika Tanimoto)
株式会社Little.m 代表取締役/オーナーバーテンダー
広島・流川で2006年からウイスキーとラムの専門店「Bar Little Happiness」を営む。国内外の蒸溜所を訪ね、造り手の話をコラム「ウイスキーとラムの手帖」に綴っている。広島市優良技能者。
「ウイスキーもラムも、造り手の想いに触れたとき、もっと美味しくなる」
【お店の情報】📍 Bar Little Happiness
広島市中区流川町5-14 Rolling流川 1F
月〜土 19:00〜24:30/日 19:00〜24:00(店主が蒸溜所へ旅に出る日はお休み)
ノーチャージ・予約不要
🛒 遠方の方はオンラインショップからもお求めいただけます。