広島・戸河内の力強きピート!── 戸河内 2020 Heavy Peated
2025.12.22
今回ご紹介するのは、地元広島・廿日市の桜尾蒸留所が手掛けるシングルモルト「戸河内」の特別なシングルカスクです。
戸河内というウイスキーを語る上で、私たちは「桜尾はスモーキー、戸河内はノンピート」というイメージを抱きがちですが、
実は必ずしもそうではないのだと、先日蒸留所の方から伺いました。
環境による熟成のニュアンスの違いこそあれど、その境界線はもっと自由に、そして深く交差しているようです。

(蒸溜所ツアーではニューポットも飲めますよ!)
森林に囲まれた旧鉄道トンネル内で4年間、眠りについたバーボンバレルのヘヴィリーピーテッド原酒。
特筆すべきは、戸河内の大きな特徴として挙げられる「バナナ」を思わせるエステリーな甘みです。
この優しく柔らかな果実味が、力強いピートスモークと出会ったとき、どのような化学反応が起きるのか。
日本初のボトラーズ「T&T TOYAMA」の下野氏、そしてウイスキーブロガーのくりりん氏。
プロフェッショナルな二人の視点から紐解かれた、テイスティングノートをぜひご覧ください。
☆テイスティングノート☆
≪TASTING NOTE by TADAAKI SHIMONO≫
香り: 爽やかな針葉樹の木材、圧削りの鰹節、しっかりとしたスモーク、ヨード、バナナ、鉛筆の削りカス、わずかな木酢液、メンソール。
味わい: 滑らかでミネラル感があり、バナナ、生々しいスモーク、ヨード、ワカメ、カンロ飴、力強いウッディさが広がる。後口はスモークと麦芽、樽由来の自然な甘さが余韻として続く。
総評: 柔らかくクリーンな酒質に、しっかりとしたスモークと力強いウッディさが調和する、個性際立つ一本。
≪TASTING NOTE by Kuririn≫
香り: しっかりとスモーキーなトップノート。そこからキウイや青リンゴのようなやや青みがかった甘さと酸味を伴う果実香、土のアロマ。スワリングするとバナナを思わせる甘さがピートスモークと共に広がる。
味わい: フレーバーは力強いが口当たりは滑らか。ピーティーでほろ苦く香ばしい、燻した麦芽を連想する含み香。じわじわとエステリーでハチミツや加熱した白色果実の品の良い甘さが広がる。余韻はスモーキーなアロマが鼻腔に抜け、ドライでピーティー、心地よいキレ上がりとスパイシーな刺激を伴って長く続く。
総評: 桜尾らしいエステリーでバナナ系の果実味のある甘さと麦芽風味に、しっかりとしたスモーキーフレーバー。そして戸河内のトンネル熟成がもたらす滑らかな口当たり、熟成感が合わさった、ピーテッド戸河内のらしさに溢れる一本。
ラベルに描かれた、緑深い森に口を開く戸河内トンネル。
その静寂の中で、バナナのような甘美さと荒々しいスモークが手を取り合った、凛とした骨格のシングルカスク。
地元広島が生んだ「今の戸河内」の驚きを、ぜひ🥃

出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香
Definitely very recommended, I hope to be able to come back here in a future Japan trip! Thank you so much, cheers from Italy!