【平和の国×平和の街】スコッチ樽100%の極上ラムが、広島の夜に溶ける理由
2025.12.19
「ウイスキーは好きだけれど、ラムは甘すぎるし、ゴリゴリの玄人向けラムも厳しい……」
もしあなたがそう感じているなら、その価値観を鮮やかに覆す一本に出会ってしまったかもしれません。
今回ご紹介するのは、中米コスタリカが生んだ至宝、『ロイヤルセンテナリオ 25』。
「軍隊を持たない平和の国」として知られるコスタリカと、「平和の街」広島。
この二つの地を結ぶ、驚くほど繊細でドラマチックな一杯の物語を紐解きます。
■ ラムの概念を覆す「スコッチ樽100%」の正体
このラムが特別な理由。それは、熟成のすべてをスコッチウイスキーの空き樽で行っている点にあります。
ローランド地方の樽(全体の70%使用)
アメリカンホワイトオーク由来の、優しくもしっかりとした骨格とバニラのニュアンスを原酒に与えます。
スペイサイド地方の樽(全体の30%使用)
ウイスキーの聖地がもたらす、華やかでフルーティーな奥行きを纏わせます。
ラムの原料であるサトウキビの力強さと、スコッチの伝統が樽の中で対話し、溶け合う。
まさに「コスタリカとスコットランドの調和」から生まれた、ハイブリッドな名作です。
■ 熟成の極致:時間を「調和」させるソレラシステム
ウイスキーの「シングルカスク(単一樽)」や「ヴィンテージ」とは対極にある、いわば「ブレンディングの芸術」。
それがソレラシステムです。
もともとはシェリー酒やスペインのラムで行われてきた伝統技法ですが、ロイヤルセンテナリオ25では、これをさらに高度に運用しています。
- 段階的な「継ぎ足し」の美学
ソレラシステムでは、樽を何段にも積み上げ、一番下の段から製品となる原酒をボトリングします。
しかし、樽を空にはしません。
減った分だけ、その上の段から若い原酒を補充し、さらにその減った分を上の段から……と繰り返します。
これにより、「25年という年月の重み」と「若い原酒のフレッシュな活力」が、絶え間なく対話を続けます。 - スコッチ樽の中で起きる「マリッジ(結婚)」
ロイヤル・センテナリオが特別なのは、このソレラシステムを「100%スコッチ樽」で行っている点です。
ローランドの樽の中で育つバニラ感
スペイサイドの樽の中で育つ華やかな果実味
これらがソレラシステムを通じて、数十年という単位でゆっくりと馴染んでいきます。
「6年前の若々しいスパイス感」が「25年前のシルキーな甘み」を呼び覚まし、最後には一つの完成されたハーモニーへと昇華される。
これが、このラムが持つ「幾層にも重なったフレーバー」の正体です。

■ Official Tasting Note:
公式サイトが掲げるテイスティングノートは、この「25」がいかにエレガントな構造を持っているかを証明しています。
Nose(香り)
「非常に複雑で、甘いフルーツのアロマに溢れている。特筆すべきは、長期熟成のみがもたらすドライフルーツ(キャラメリゼされたリンゴや洋梨)と、スコッチ樽由来の繊細なスパイス、そしてバニラやオークのニュアンス。」
Palate(味わい)
「口当たりは驚くほど優しく、エレガント。ウッドと焦がしたナッツ、さらに糖蜜の甘みが完璧なバランスで調和している。非常にシルキーなテクスチャー。」
Finish(余韻)
「長く、ドライで、洗練されている。最後までウッディなノートと微かなスパイスが持続し、ウイスキー愛好家をも魅了する完璧な終止符を打つ。」
■ 広島の夜に、この一杯を。
コスタリカと広島。
物理的な距離は遠く離れていても、そこにある「平和を愛する精神」は共鳴しています。
かつて戦火を乗り越え、今の穏やかな夜を築き上げた広島。
その街で、軍隊を持たない国コスタリカの「調和の結晶」であるラムを味わう。
異なる個性がぶつかり合うのではなく、お互いを認め合い、長い年月をかけて高め合った結果生まれた琥珀色。
それは、私たちが願う「平和」の形そのもののように思えてなりません。
スコットランドの風とコスタリカの太陽を、広島のリトハピで。
出逢いは必然。Rum&Whisyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香
Definitely very recommended, I hope to be able to come back here in a future Japan trip! Thank you so much, cheers from Italy!