ラム酒とは?種類・味わい・楽しみ方を広島のバー店主が解説
2025.9.04
「ラムって、カクテル用のお酒でしょ?」
そう思っている方は少なくありません。けれど、ラムの世界はもっと奥深く、そして自由です。
私は広島で1,000本以上のボトルを揃えるバーを営んでいますが、カウンターでラムをおすすめするとき、お客様の表情が変わる瞬間が好きです。
ここでは、ラム酒の基本から、種類、楽しみ方まで、旅するお酒・ラムの魅力をお話しします。
ラム酒とは?──サトウキビから生まれる 旅するお酒
ラム酒は、サトウキビを原料とする蒸留酒です。
多くは製糖過程で出る糖蜜(モラセス)を原料にしますが、サトウキビジュースを直接発酵させるタイプもあります(これがアグリコールと呼ばれるものです)。
蒸留方法には大きく2つあります(※例外も多いため、ここではあくまで目安としてご紹介します)。
- ポットスチル:伝統的で風味が濃く残る
- カラムスチル:連続式でライトな飲み口
さらに、熟成の有無によって味わいは大きく変化します。
樽で寝かせることでバニラやスパイスの香りが加わり、複雑な風味になります。
私自身、初めてラムの樽熟成を体験したときの驚きを忘れられません。
「甘いだけじゃない!」──それはウイスキーにも通じる感覚でした。
ラム酒の種類──色でわかる味わいの違い
ラムは大きく3つのカテゴリーに分けられます
(その後さらに細分化されますが、詳しくは別の記事で掘り下げます)。
ホワイトラム(ライト&フレッシュ)
ステンレスタンクで3ヶ月〜12ヶ月休ませながら加水されボトリングされる
カクテルのベースとしてよく使われ、軽快な飲み口が特徴です。
ゴールドラム(バランス型)
また更に2年前後の間、樽に寝かせてからボトリングされるもの
ライトさと樽の香りが調和し、ストレートでもソーダ割りでも楽しめます。
ダークラム(リッチ&スパイシー)
3年以上の長期熟成をするもの
色が濃く、風味も複雑。
リトハピでは主にこのダークラムを取り扱っています。
初めてモーリシャスのラムを飲んだとき、まるでピーチティを飲んでいるようなが衝撃がありました。
これこそ、ラムの面白さです。
※ラムはさらに原料や製法によって細かく分類されますが、これについては別の記事で詳しくご紹介します。
サトウキビを原料とした蒸留酒という条件を満たせばラムとなるため、他にも様々な製法が存在し、とても自由なお酒です!
ラム酒の楽しみ方──ストレートからカクテルまで
ストレートで香りを楽しむ
樽熟成ラムは、まずはストレートで。
バニラやトロピカルフルーツ、スパイスが繊細に感じられます。
ロックやソーダ割りで飲みやすく
ホワイトラムや、ゴールドラムは、氷やソーダで割ると、ラムの甘みが引き立ち、飲みやすくなります。
カクテルで楽しむ
ダイキリやモヒートは定番。
まとめ──一杯のラムが連れてきてくれる景色
ラムは、ただの甘いお酒ではありません。
青い空、歴史の重み、土地で育まれた文化──それらが一杯のグラスに映し出されています。
広島の小さなカウンターでグラスを傾けながら、まだ見ぬ景色を感じてみませんか?
きっと、ラムが連れてきてくれる新しい旅が始まります。
(リトハピでは、ウイスキー好きが好きそうなラム酒のみセレクトしております。甘い感じのラム酒の取り扱いは限定的です)
Bar Little Happiness 谷本美香