オクトモア16シリーズ | 黒いボトルに込められた「挑戦」という哲学
2025.11.05
以前、アイラ島のブルックラディ蒸溜所を訪れたとき、 私が思ったのは「可愛い蒸溜所だな」ということでした。
(↑入口のポットスチルのオブジェ。遊び心に溢れています。)

(2009年頃にスコットランドアイラ島に行った時の写真です。当時SDカードで、ほとんどの写真のデータが壊れていて使えません泣)
オクトモアの黒いボトルの意味?
そもそも、発売されていたかも覚えていません・・・汗
そのときは、全く気づいていませんでした。
しかし今、改めてこのボトルを見ると、 あのときには見えなかったものが、見えてきます。
今年も、オクトモア16シリーズが届きました。
不透明な、深い黒。
細長いシルエット。
そして、ミニマルなラベル!

毎年、アイラファン達が楽しみにしているボトルです!
ppmを更新し続け、もはや毎年恒例のお祭りのような感じです。
実は、オクトモアが初めて世に出たとき、この黒いボトルは既に「異彩」でした。
なぜなら、ウイスキーのボトルは、だいたい透明だからです。
琥珀色の液体が見える。
それが美しい、と多くの人が思います。
ところが、オクトモアは、違いました。
不透明な黒。
中身が見えない。
見えなくていい、と言っているようでした。
実際、バーの棚に並べると、他のどのボトルとも違う存在感を放ちます。
お客様も、ふと目を止める。
「これ、何ですか?」と聞かれることが、一番多いボトルかもしれません。
3つの顔を持つ蒸溜所
オクトモアは、ブルックラディが手がける3つのブランドのひとつです。
1. Bruichladdich(クラシックラディ)
ノンピート。
繊細で、フルーティー。
アイラ島では珍しいスタイルです。
2. Port Charlotte(ポートシャーロット)
ヘビーピート(40ppm)。
スモーキーだが、エレガント。
蒸溜所再開後の最初の蒸溜でした。
3. Octomore(オクトモア)
スーパーヘビーピート(131ppm〜300ppm超)。
世界一スモーキーなウイスキー。
2002年、実験として始まりました。
つまり、ノンピート、ヘビーピート、スーパーヘビーピート。
3つの異なる哲学を、同じ蒸溜所で。
これが、ブルックラディのやり方です。
ブルックラディの公式フィロソフィーには、こう記されています。
「最も思考を刺激するスピリッツを創造すること」
そして彼らは、自らをこう定義しました。
「私たちは先駆者、挑発者、変革者であることを選びました」
オクトモアの黒いボトルは、まさにその言葉を体現しているように思います。
常識を疑い、新しい道を切り拓く。
見た目も、哲学も。
考えてみれば、透明なボトルが「当たり前」のウイスキー業界で、
不透明な黒という選択は、革命でした。
私は、このボトルを手に取るたび思います。
新しいことへ挑戦する姿勢って、素敵だな、と。
誰もやっていないことをやる。
それは、勇気がいることです。
でも、そこに未来がある!!
オクトモアは、デザインひとつとっても、既成概念に挑んでいるのです。
ちなみに、今年のオクトモア16シリーズも、リトハピに届いています。
16.1、16.2、16.3。
あの黒いボトル、気になった方は、ぜひ🥃
出会いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香