アードベッグ・スモーキーバース──アードベッグという、世界観。
2025.7.08
毎年、スコットランドのアイラ島で開催されるウイスキーの祭典「アイラ・フェス」。その一環として行われる、アードベッグファンのための特別なイベント、アードベッグデー。
世界中のファンがこの日を楽しみにしていて、アードベッグは毎年、その日に合わせて限定ボトルを発表します。
そして今年、届いたのが──
アードベッグ・スモーキーバース(ARDBEG SMOKIVERSE)。
世界観と製法背景
2025年限定ボトルとなるこの一本のテーマは、
「高重力実験」「ハイ・グラビティ・マッシング(High Gravity Mashing)」。
通常よりも多くの麦芽を用い、水を抑えて仕込むことで、
糖度・香味成分の高い濃密な麦汁から生まれた原酒が使われています。
その結果として生まれたのは、
まさに“宇宙的スモークの世界=SMOKIVERSE”という名にふさわしい、
天文学的にフルーティーな香味が特徴のアードベッグです。
・・・・と、公式サイトに書いてあったことを解釈しながら書いていますが、世界観が激しいですね 笑
このイベントに参加した人の話によると、「紅茶のパックを多めに煮出したようなもので、その濃密さに酵母が変わった反応をする」とのこと。

テイスティングノート
- 色:
明るい黄金色。 - 香り:
スモーキーさと、風船ガムのようなエステリーで弾ける香味。
そこにフルーティーなニュアンスが加わり、
円熟した大麦と、トーストした天然酵母パンの香りが溶け合います。
加水すると、濃密で甘く香ばしいスモークが広がり、
トロピカルフルーツのような香りが立ち上がってきます。 - 味わい:
芳醇でクリーミーな口当たりから、
クレオソート(タール)、アニスシード、クローブを思わせる
シャープでスパイシーな香味が広がります。
そこに黒糖を思わせるはっきりとした甘みが加わり、
木炭のようなウッディさと絶妙に調和します。 - 余韻:
たき火の残り火やピートモスを思わせる余韻が、長く静かに続きます。
パッケージデザイン:まるで宇宙のポータル
ボトルを包む箱のデザインも、この世界観をさらに強く演出しています。
宇宙(galactic)を思わせるビジュアルで、未来感のある異次元アートのような仕上がり。
まるで銀河を封じ込めたかのようなパッケージングは、このボトルが単なるウイスキー以上の体験であることを物語っています。
箱からイメージする世界線――そんな視覚的演出も、アードベッグの魅力のひとつです。
ブランドの転機と未来

2025年のアードベッグ・デーは、旧コミッティー会長の退任と、2名の共同会長就任という節目とも重なります。
「ひとつの扉が閉じるとき、ふたつの窓が開く」──そんな言葉の通り、ブランドは新たな時代へ歩み出します。
出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香