ここまで来られたのは、“誰かの優しいひと言”の積み重ねでした。
2025.7.01
広島でバーを始めて、2025年7月で19年を迎えました。
はじめてこのページを開いてくださった方も、これまで足を運んでくださったすべての皆さまへ。
今日は、これまでの感謝と、節目に寄せる想いを綴っています。

22歳でお店を始めたとき、
お金も、経験も、人脈も、特別な才能も、何ひとつ持っていませんでした。
それでも、
「自分が好きだと思える空間を、自分の手でつくってみたい」
ただその想いだけで、小さなカウンターに立ちました。
最初の数年は、とにかく“続ける”ことで精一杯。
夜中にスタッフを病院や警察まで迎えに行ったこともあれば、
レジ金や貴重なボトルを盗まれたこともあります。
お願いしていた内装業者が途中で連絡を絶ち、
工事も、お金も、止まったまま。
誰もいない現場に、ひとり立ち尽くしては
「このまま終わるのかもしれない」「かかったお金は、どうやって払えばいいのか」と
何度も思いました。
それでも、不思議と、そんな日々をつなぎとめてくれたのも、やっぱり人でした。
「リトハピが好き」
「このお店のために広島に来ました」
お客様からの一言。
そして、何も語らなくても、
カウンター越しに静かに時間を過ごしてくださるお客様の存在が、
「もう少し頑張ろう」と思わせてくれました。
私にとっては、忘れられない時間の連なりです。
19周年を迎えて思うこと
ここまでやってこられたのは、
誰かの優しいひと言や、静かな共鳴に気づいてもらえたこと。
そんな小さな積み重ねのおかげだと、心から思っています。
▍Bar Little Happiness の19年
- 2006年|22歳:大学卒業後、1号店を創業
- 2008年|24歳:現在の場所に移転、「リトルハピネス」誕生
- 2009〜2015年:店舗拡大・業界との葛藤
- 2016〜2019年:理念と現実の狭間でもがきながら模索
- 2020年〜:コロナ禍で、「本当に守りたいもの」が炙り出される
- 2023年〜現在:「経営と人生」を見つめ直す時間へ
- 2025年:19周年。第二創業のつもりで、新たな一歩を踏み出す
- 詳しくはこちら
▍これからも、誰かにとっての“誇り”になれるように
この19年の間には、心ない言葉を向けられたこともありました。
実際に来たこともない人、ほとんど知らない人が、憶測だけで語る場面もありました。
そして正直に言えば、
実際に足を運んでくださった方の中にも、
この空間の想いがあまり伝わらないまま、帰られた方もいらっしゃいました。
でも、そういう時間もすべて含めて——
私は今、「それでも続けてきてよかった」と、心から思っています。
なぜなら、
何も説明しなくても、
ちゃんと“わかってくれていた”お客様たちが、いつも目の前にいてくれたから。
「リトハピ、推してよかったでしょ?」
…なんて自分から言うのは照れますが(笑)、
そう思ってくださっている方がたくさんいてくれることを、私はちゃんと知っています。
その気持ちに恥じないように、これからも誠実に、丁寧に続けていきます。
また、ふと思い出したときに、立ち寄っていただけたら嬉しいです。
出逢いは必然。
Rum & Whisky の世界へようこそ。
*これまで年中無休で営業してきましたが、たまにお休みすることにしました。最新の営業情報はInstagramストーリーにてお知らせしていますので、よろしければご覧ください。