イチローズモルト20周年アニバーサリーボトル|レジェンド原酒と語り手たちの愛
2025.7.05
イチローズモルト20周年アニバーサリーボトルについて、構成原酒・ブレンデッド戦略・セミナー体験をシェアします。
イチローズモルトは、2004年、肥土伊知郎さんが立ち上げたウイスキーブランドです。
20年の歳月をかけて、世界中の愛好家から熱烈な支持を集める存在となりました。
特に有名なのが、旧羽生蒸留所の原酒を用いた「カードシリーズ」。
54種類すべてを揃えたセットが、香港のオークションで1億6,000万円(HK$11,890,360)の世界最高額で落札されたという逸話は、もはや伝説といえるでしょう。
(ちなみに、私が秩父蒸溜所に初訪問したのが2008年か2009年。
蒸溜所ではカードシリーズは飲み放題で、近くの酒屋さんにもたくさん在庫がありました。
絵柄が可愛くて、リトハピも、かなりの数を所有していましたが、早々に飲んでしまっていて、空瓶もほとんど残っていません。笑
昔飲んだお客様たち、おめでとうございます!)
そんなイチローズモルトの20周年アニバーサリーボトルがリリースされ、私ももちろんすぐに飲みました。
あまりに大好きな味だったため、あらゆる酒屋さんに連絡しまくって在庫を確保!
あの頃お越しくださったお客様には、激推しボトルとして、ほぼ全員におすすめしたと思います。
構成原酒については、先日参加したブランドセミナーで詳細を知ることができました!

10周年のファーストTENは、シングルモルトでした。
20周年ボトルはそこからさらに進化し、秩父蒸留所とご縁のある多様な原酒が絶妙にブレンドされたブレンデッドです。
アニバーサリーボトルをブレンデッドにしたことからは、イチローさんがグレーンウイスキーの自社生産とブレンデッド比率重視を事業戦略として明確に掲げている、というブランド哲学が強く感じられました。
熟成樽の種類、ピートの強さ、熟成年数──そのすべてが精密に組み合わされていて、ウイスキーが好きな人にはまさに“ど真ん中”な、ブランドの集大成ともいえる凄みがありました。
こっそり構成原酒をお知らせします⇩
秩父15年・羽生39年・軽井沢18年・川崎47年・ベンリアック14年・ワールドブレンデッド。
もう驚くようなレジェンド原酒です!!
このセミナーで講師を務めてくださったのは、ブランドアンバサダーの吉川由美さんです。
彼女はもともと一愛飲家でありながら、イチローさんの思想や哲学に心を打たれ、帝国ホテルのバーテンダーを経て、スコットランドでの経験を積み、イチローズモルトにジョイン。
2019年には、ウイスキーマガジン主催の「Icons of Whisky」にて世界のウイスキーブランドアンバサダー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた実力者です。
吉川さんの語り口から感じたのは、ウイスキーを単なる商品として扱うのではなく、「文化」や「コミュニティ」として伝えていこうとする姿勢でした。
彼女が語るイチローズモルトには、時間の重なりや人との絆、そして未来への眼差しが込められており、そのひとつひとつの言葉が深く心に残りました。
もうひとり、森山さんというスタッフの方も登壇されていました。
(以前お会いした際に、彼の人生についてもいろいろお話を伺ったので、また今度、ブログでご紹介したいと思います!)
お二人ともが共通して語っていたのは、「ウイスキーへの愛」でした。
何を伝えたいのか、どんな人に届いてほしいのか──その問いを軸に、自分たちの言葉でブランドの背景を語る姿が印象的でした。
この話を創業者のイチローさんが話しても、きっと響き方は違うのだと思います。
想いや哲学を創業者の視点から汲み取り、咀嚼し、世の中に届けていく役割を担う人の言葉にこそ、覚悟と美学が宿る。
それこそが、イチローズモルトがここまで多くの人に愛される理由なのだと、私は思います。
ウイスキーという液体の中には、時間と脈々と受け継がれる想いが封じ込められています。
それをどう解釈し、どう語るか。
そこにこそ、ブランドの未来があると感じました。
イチローズモルト20周年アニバーサリーボトルは、そんな未来を見せてくれる1本です。
出逢いは必然。Rum&Whiskyの世界へようこそ。
Bar Little Happiness 谷本美香